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参院選、あなたの評価は?

  2022年7月31日 カテゴリ:コラム


自民大勝、野党伸び悩み

 7月の参院選、あなたの評価はいかがでしょうか。
結果は、与党76議席(自民63議席、公明13議席)、野党49議席と、与党の圧勝。中でも自民党は、改選議席125の過半数を確保し大勝しました。対する野党は、立憲民主党が17の議席獲得に留まるなど低迷、与党と野党の力の均衡には程遠く、緊張感のある政治は望めそうもありません。別の言葉でいえば、「安定した政治」というべきでしょうか。でも私たち国民は、この「安定」の定義について、もう少し考える必要があるように思います。

改憲勢力が整った。

 憲法改正に前向きな自民・公明両党と、日本維新の会、国民民主党の4党の獲得議席は93議席となり、憲法改正の発議に必要な参議院全体の3分の2の議席を上回りました。衆議院ではすでに改憲勢力が3分の2を上回っており、現在の憲法発布後初の改憲がいよいよ現実味を増してきたといってもよいでしょう。
 ただし、改正へのハードルを越えるのは決して容易ではなく、衆参の憲法審査会で審査したのち、それぞれの本会議で3分の2の賛成、その後の国民投票で有効投票数の過半数で改憲となります。改憲を掲げる政党でも、改憲の優先順位が違います。自民党が「自衛隊の存在明記」を掲げれば、同じ与党でも公明党は慎重な考えを崩していません。また維新の会は「教育の無償化」「統治機構改革」を掲げています。政治的なかけひきが今後展開していくことが予想されます。
 もし国民投票になれば、私たちにとっても初めての経験となります。今回の参院選の投票率は50%を上回り、前回の投票率を3ポイント以上上回りました。しかしながら、おおよそ半数の有権者は投票していません。国民投票という「一大事」になったときに、果たして民意は有効に機能するのか、疑問は残ります。

参政党というムーブメント

 今回の参院選、参政党という新しい政党が比例区で1議席を獲得しました。重点施策として「子供の教育」「食と健康、環境保全」「国のまもり」の3つを掲げ、他の政党とは一線を画しました。もちろん既存政党の力には遠く及びませんが、注目すべきは若年層の支持の高さです。特に18、19歳の支持率が7%であり、これは公明党と同率、維新の会(9%)とも競う数字です。
 若い世代の政治への無関心が、今の政治の質を下げている要因であることをこのブログでも述べてきましたが、次世代を担う若者が何を重視し、何を不安に思っているのかを表した結果でもあると思います。
 日本の経済成長の鈍化、世界的バブルの崩壊の危機、円安、物価高、それら現在の政治的課題は、日本の持続可能性を問う問題でもあります。対処療法的な政治の限界を、今の若者が見透かしている。そう考えれば、大人もこの民意を軽視することは決して良策ではないと思います。

政治は数。数は力。力は金。

 この言葉は、田中角栄氏の言葉です。日本の高度成長期、日本はこれからもっと豊かになる時代。政治を動かすのに象徴的な言葉として私たちの記憶に残っています。そして今も、政治力学に少なからずこの言葉があてはまるようにも思います。
 一方で時代は大きく変わっています。SNSの普及で民意は容易に形成され、そして崩壊していく。多様化という言葉の中で、少数派への配慮も求められる時代になってきました。数を持っていなくても、お金を持っていなくても、一人一人の民意はどれも等しいはずなのに、「声の大きな人」の意見ばかりが重用され、それがあたかも民意のような錯覚に陥ります。参院選後が終わったいま、声なき声にも耳を傾け、本当の民意を探る、そんな丁寧な政治がいま求められていると感じます。


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